モンゴルには、17種類の保護動物が生息しています。その中には、トナカイや、雪豹、「アルガル」野生の羊、「ヤンギル」野生の山羊、「ホラン」野生ロバなどがいます。
これらの動物の毛は高価で、角やミルクなどは様々な薬品材料として利用されています。例えば、鹿の角から、「パントクリン」と言う薬が出来、それは貧血性の人に利くと言われています。
1921年の革命以前には、希少動物を保護していませんでした。このため人間が日用品として利用したり、商売対象とするために狩猟していました。1950年から60年に掛けて、これら17種の希少動物を保護することになりました。それでは、ここで、その保護動物の中から、「アルガル」野生の羊、
「ホラン」野生のロバ、雪豹、「ヤンギル」野生の山羊についてそれぞれご紹介します。
「ホラン」野生のロバ
「ホラン」は蹄が割れていない単蹄類の馬です。「ホラン」の耳は長く、尻尾は細くて短く、たてがみが薄くて垂直になっているのが特徴です。体の大きさは野生馬より、小さくロバより大きいです。毛の色は、全体に白く、腹と脇は黄色です。お腹やお尻、鼻先が白っぽく、背中から尻尾にかけての線は、細く黒いのが特徴です。殆どのホランは、ゴビの山岳地域と低い丘陵に生息し、主食としてゴビの「ヒャラガナ」「ターナ」と言った植物を食べます。水分の多い植物を好み、厳しい自然環境に耐えられる動物で、ゴビにある数少ないオアシスに生息します。
雌のホランは、11ヶ月で出産し、5月から7月に一頭の子供が生まれます。子供は、他の動物に比べて早く立ち上がりますが、生後10日間は蹄がまだ固まっておらず、遠くへ行く事が出来ないので、少し歩いてしゃがみこんだりします。その時、母親ホランは子供を昼も、夜も寝ないで見守ります。ホランの臭覚と聴覚、視覚は敏感でちょっとした音にも気付き、時速60から70キロのスピードでかける事が出来ます。
「アルガル」野生の羊

「アルガル」野生のメス羊で、雄は「ウガルジ」と呼びます。この仲間の何種類かは、アジア、ヨーロッパ、北アメリカの万年雪に覆われた山岳地帯に生息しています。
モンゴルでは南部地域ゴビアルタイや、アルタイ山脈の地域に住んでいます。
体は羊と同じように自然環境に適応しやすく、細くて長い足や粗い毛と短い尻尾を持っています。オスは雌のアルガルより、大きく、体重は200キロぐらい、胸の高さは約20センチ、角の長さは160センチから180センチもあります。アルガルの毛色は生息している地方によって違います。毛の色は夏と、秋が茶色、冬と春は薄い白い色です。腹と鼻先は真っ白です。
アルガルは、山に生息していますが、「ヤンギル」野生の山羊のように岩には生息しません。ゴビの植物が沢山ある所に住んでいます。夏は、朝と夕方の涼しい時間に出没し、暑い日中には陰のある所に移ります。雄と雌のアルガルは、1頭から5頭、ある場合には30から40頭になって群れることもあります。
アルガルは七ヶ月で出産し、春四月から5月にかけて、子供を生みます。普通は親から一頭の子供が生まれますが、時として、双子を生むこともあります。
「ヤンギル」野生の山羊

世界には、8種類の野生山羊がいます。その、一つがモンゴルの野生山羊です。
モンゴルの南部地域のアルタイ・ハンガイ山脈と北部地域フブスグル県の山岳地の岩に生息します。「ヤンギル」の毛色は大体茶色で、背中の毛は粗い黒い毛で覆われています。雄の野生山羊は「テヒ」と呼ばれ、体の長さはおよそ130センチから160センチ、体重は100から150キロあります。
角は後ろの方に反り返り(そりかえり)、長さは75センチから140センチです。「ヤンギル」は100頭から150頭で群れています。暑い夏には、影のあるところでしゃがみ込んで過ごし、群れの先頭の賢いヤンギルは、危険を防ぐため高い岩に立ち周囲を見守ります。
雌のヤンギルは6ヶ月ぐらいで出産し、5月の中旬に一頭から二頭の子供を生みます。ヤンギルも世界中で希少動物です。
「雪豹」

現在、世界中には様々な種類の雪豹が生息していますが、モンゴル地域でも、何千年も前から暮らしてきました。生息地帯として4,5千メーター以上の高いところに暮らすのが一般的ですが、モンゴルに生息しているゆき豹は比較的低いところ2,3千メートルに高さに生息しています。モンゴルでは雪豹は西南部と西北部のモンゴル・アルタイ、ハンガイゴビアルタイ山脈とそれに連なる高い山々で移動しながら生きています。外国人学者たちの研究によりますと、モンゴルに暮す雪豹の主な特徴は比較的低いところで、相当数集まって生息しているとの事です。モンゴルに生息する雪豹は茶色で毛皮には黒い点があります。体長は155センチ、身長は60センチほどで、体重はおよそ45キロです。また、体の長さと同じ程度の長い尻尾を持っていますが、そのために尻尾は大変重いそうです。
肉食動物であるため、雪豹の主食は野生のヤギや羊、ウサギ、タルバガン、地鼠などとなりますが、彼らはこのような動物を追って、移動しながら暮らします。一頭の豹は一回に大体4,5キロの肉を食べますが、一日に一回食べれば、その日は、もう他のものを食べません。一般に豹の一年間の食肉量は700から800キロぐらいと言われています。
モンゴルに暮らす雪豹の生息頭数について数字をあげれば、1970年ごろ約700頭だった頭数が80年ごろには2000頭まで達しましたが、2008年度の調べでは、モンゴル国内の5県の16平方キロメートルに及ぶ地域に1500頭から1700頭の豹が暮らしているという結果がでました。生息している地域の広さは、他の国に比べれば、相当広いのですが、その割には雪豹の増加率はあまり高くない言われています。世界中で、13カ国に生存しているといわれ、もっとも多い国は中国で、第二番目にモンゴルが入っているということです。
最近、雪豹の主食となる野生のヤギや羊が急激に減少していくに連れて、モンゴルの雪豹の数も減っています。その上、綺麗な毛皮のために密猟の対象とされていることも生息数が減少する理由の一つとなったのです。
密猟で雪豹の毛皮を取って、外国輸出しようとして税関に捕まった事件が沢山起こっています。実例として、250頭の雪豹の毛皮を輸出しようとしたグループがあり、その毛皮は現在「チンギス」村と言うツーリストキャンプで、モンゴルゲルを飾っています。
雪豹の頭数が減りつつあることに連れ、世界的な様々な連盟が設立されていますが、モンゴルもその一員となり、各活動を行っています。また頭数を保護するため、外国人研究者と共同でプロジェクトを実施しています。雪豹を保護するためにモンゴルと言う国土の特徴やそこにすむ人々の暮らし方に合わせて、いわゆるただ雪豹だけを保護するのではなくその雪豹が暮らしている地域と、そこで生活している住民も含めて、皆の協力を得て保護すると言う実施方法も始められています。そのほかにも、近年、野生の羊の狩猟も禁止されているため、雪豹の増加率に影響を与えるだろうと考えられています。