晩さん会での天皇陛下のお言葉とご演奏
晩さん会での天皇陛下のお言葉とご演奏
天皇皇后両陛下は、8日、午後7時ごろから宿泊先のホテルで行われているモンゴルのフレルスフ大統領夫妻主催の晩さん会に臨んだ。
晩さん会には、モンゴルで活躍する日本人のほか、日本にゆかりのあるおよそ100人が招かれた。
両陛下は会場の前方、真ん中にある大統領夫妻と同じテーブルにつかれた。
はじめに「君が代」が演奏され、続いてモンゴル国歌が演奏された。
その後、フレルスフ大統領の挨拶が行われた。挨拶のあと大統領の発声で、全員で乾杯が行われた。大統領は席に戻り、陛下とグラスを合わせ再び乾杯した。
つづいて、天皇陛下が答礼のおことばを述べられた。 「天皇陛下おことば フレルスフ大統領閣下、ボロルツェツェグ夫人 御列席の皆様、 ター・ブフンテェ・ダヒン・オールズスンダー・タータェ・バェン(皆様との再会を嬉しく思います)。 私は2007年にモンゴルを初めて訪問しましたが、その時の経験は大変印象深く、宝物となっています。また、今回は日本の天皇として初のモンゴル訪問であり、両国の一層の友好関係の増進につながることを願うとともに、国民的祭典であるナーダムの開会式に出席する機会を頂いたことを、大変有り難く思います。また、この度、フレルスフ大統領の御発意により、ナーダムの開会式が行われる7月11日が、国連の場において「世界馬の日」となったことは意義深いことと思います。 一昨日に当地に到着しましたが、経済発展等に伴い、前回訪問時よりも更にモンゴル社会全体に力強さを感じるとともに、深い蒼天の下、競うように草木が芽吹き、美しい花を咲かせると表現される、最も麗しい季節に皇后と共に貴国を訪問できたことを嬉しく思っております。 また、前回訪問時に雨が降った際、モンゴルでは雨が降るのは非常に縁起が良いとの言い習わしがあると聞き、乾燥地帯で暮らす人々にとっての水の大切さを実感しました。昨日、私は、ウランバートル上下水道公社とガチョールト水源を視察しましたが、両国の人々が協力し、大切な水資源の安定的確保という課題に取り組んでいる姿に、感慨を覚えました。そして、ガチョールト水源は幸い雨の中でした。日本が1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、そして2024年の能登半島地震などの大きな災害に見舞われたとき、モンゴルの人々はすぐさま支援の手を差し伸べてくれました。私たち日本人を勇気付けていただいたモンゴルの方々の温かい気持ちを、私たちは決して忘れません。両国間の交流や協力の可能性は、モンゴルの大草原のように、果てしなく広がっています。本日のすばらしい宴を催していただいたフレルスフ大統領及びボロルツェツェグ夫人に感謝申し上げるとともに、ここに杯を挙げ、大統領御夫妻、両国国民の御健勝と御多幸、そして、日・モンゴル関係の一層の発展を心から祈ります。 ザー・ホンダガ・ウルグイー(では、乾杯しましょう) ター・ブフン・サエハン・ナーダーラエー(ナーダムを楽しみましょう)」 陛下のご発声で、全員で再び乾杯が行われた。
続いて、 陛下はステージにあがり、ビオラの演奏を披露された。 陛下は、モンゴル国立馬頭琴交響楽団、およびモンゴル人ビオラ奏者と共演しモンゴルの曲と、日本の曲を1曲ずつ演奏された。 1曲目はモンゴルの作曲家・アルタンホヤグによる「モンゴル・アヤルゴー」です。 2曲目は日本の曲「浜辺の歌」です。
天皇陛下は天皇として外国で演奏されるのは初めてです。 陛下は愛用のビオラを日本からモンゴルに運び込まれた。
天皇陛下のビオラと馬頭琴による演奏で2曲が披露されると招待客からは大きな拍手が送られた。 午前中の歓迎式典に出席した第69代横綱の白鵬さん、第70代横綱・日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジさんも招かれた。
再生回数: 369
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